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概要 |
最近、特にノートPCにはシリアル通信のインターフェースが付いていません。
そのため、あまり使われなくなってきていますが、
必要性が出てきたため少し勉強してみます。
また、インターフェース自体はUSBに置き換わってきていますが、
USB内で仮想シリアル端子を作成して、
プログラムからはシリアル通信をしている場合も多く見受けられます。
そのためシリアル通信を知っていても損はありません!
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・シリアルとパラ
レル |
通信時に1ビットずつ送る手法をシリアル通信、
複数ビットを同時に送る手法をパラレル通信と言います。
以前は、同時に複数転送できるパラレル通信の方が高速でしたが、
同時に複数信号を送るということは、
それぞれの信号を同時に送信する同期が必要になります。
転送速度が遅いときは同期が容易に取れましたが、
高速化されるにつれて同期が難しくなり、
今はパラレル転送はほとんどありません。
昔のIF |
方式 |
現在のIF |
シリアル(RS-232C) |
シリアル |
USB |
プリンタ |
パラレル |
USB |
IDE/E-IDE/ATA |
パラレル |
SATA |
SCSI |
パラレル
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SAS
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PCI |
パラレル |
PCI Express |
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・同期方式 |
送信元と送信先でビットの区切り等をあわせる必要があり、
その方式は下記のとおり複数やり方があります。
方式 |
特徴 |
同期式 |
データ用の信号線とは別に同期用の信号線を用いて同期する。
同期信号を基準とするため、基準クロックは不要。
ただし信号線が増えるため高価になります。 |
調歩同期式 |
通信時はスタートビット+データ+ストップビットを送信する。
無通信時はストップビットを送信し続ける。
ビットの長さを判断するために、両者に基準クロックが必要。 |
キャラクタ同期式 |
SYN(001 0110)を送信データの前後に挟んで同期をとる手法。 |
フラグ同期式 |
特定のビット列で同期を取る手法。
可変長データをフラグで挟むため、
キャラクタ同期式に比べて伝送効率が高い。
HDCLの場合は、0111 1110を利用し、
1が5個以上並ぶ場合は強制的に0を入れて、
フラグと区別をする。 |
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・通信手順 |
手順 |
特徴 |
無手順 |
特定のプロトコルを使わない手順を無手順といいます。
調歩同期方式やTTY手順が代表例。 |
XMODEM |
128バイト、または、1024バイトを1ブロックとした固定長のデータ
を送信する。
最後のブロックが128(1024バイト)バイトに足りない場合は、EOF(16進で1A)で埋める。 |
YMODEM |
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ZMODEM |
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・規格 |
手順 |
特徴 |
最大伝送速度 |
RS-232C |
各信号線の目的やタイミングのほか、接続コネクタも規定されている。
(D-SUB 25ピンまたはD-SUB 9ピン) |
20Kbps |
RS-422A |
RS-232Cでは伝送距離が短い、伝送速度が遅いなどの欠点を改良してできた規格。
各信号線の目的やタイミングは規定されていますが、接続コネクタの規定はなく、
D-SUB 25ピンまたはD-SUB 9ピンが主に採用されます。
RS-232Cは1つの基準電圧に対しての差分電圧で動作しますが、
RS-422Aは全ての信号線がペアになっており、その差分電圧を取ります。
そのため、RS232Cの方がノイズに弱くなるため、
232Cの方が大きい電圧をかける必要があります。
232Cと422Aでは形状が同じであったとしても、上記電圧が異なりますので、
間違って接続すると機器が故障する可能性があるので注意してください。
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10Mbps |
RS-485
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RS-422Aでは接続台数が少ないという点を改良してできた規格。
RS-485は、RS-422Aに対し上位互換の規格です。
各信号線の目的やタイミングは規定されていますが、接続コネクタの規定はなく、
D-SUB 25ピンまたはD-SUB 9ピンが主に採用されています。 |
20Mbps |
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・RS-232Cの信
号配線 |
RS-232Cは信号配線が既定されています。
D-SUB9ピンの配線は下記の通りです。
5本ピン側を上とすると、左上から右に番号が振られます。
ピン番号 |
信号名 |
説明 |
1 |
DCD
(Date Carrier Detect)
CD
(Carrier Detect)
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キャリア検出
PCが端末側のデータ送受信の
準備ができていることを知るための信号線。 |
2 |
RxD
(Recieved Data)
RD
(Receive Data)
|
受信データ |
3 |
TxD
(Transmitted Data)
SD
(Send Data)
|
送信データ |
4 |
DTR
(Data Terminal Ready)
ER
(Equipment Ready)
|
データ端末レディ
PCがつながっていることを
相手に認識させるための信号線 |
5 |
SG
(Signal Ground) |
信号グランド
各信号線のグランド基点になる。 |
6 |
DSR
(Data Set Ready)
DR
(DataSet Ready)
|
データセットレディ
PCが端末がつながっていることを
認識するための信号線で、
PC側はこれで端末の有無を判定する。 |
7 |
RTS
(Request To Send)
RS
(Request to Send)
|
送信要求
PC側が送信を開始するときに出力する信号線
PC側のフロー制御に使う。 |
8 |
CTS
(Clear To Send)
CS
(Clear to Send) |
送信許可
端末側が送信を開始するときに出力する信号線
PC側に受信準備を要請する。
端末側のフロー制御に使う。 |
9 |
RI
(Ring Indicator)
CI
(Calling Indication)
|
被呼表示
端末側から電話がかかってきたことを
通知するための信号線。
PCの電源を制御するのに
使われることもある。 |
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・装置種類 |
種類 |
説明 |
DCE
(Data Communication Equipment) |
データ通信装置
モデムやプリンタの様な受動的な装置 |
DTE
(Data Terminal Equipment) |
端末装置
PCの様に能動的に通信する装置 |
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・調歩同期式 |
PCで使われる通信でもっともメジャーな方式です。
設定項目 |
説明 |
スタートビット長 |
データの開始を表すビット長。
1ビット固定です。 |
ストップビット長 |
データの終了を表すビット長。
1,1.5,2から選択します。 |
データビット長 |
データが何ビットで構成されているかを表します。
7ビットまたは8ビットが一般的です。 |
パリティチェック |
偶数(EVEN)、奇数(ODD)、無し(NONE)から選択します。 |
ボーレート |
1秒間に何ビット送るかです。 |
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・ハンドシェーク |
送受信で取りこぼしを行わないようにハンドシェークを行います。
設定項目 |
説明 |
ソフトウェアハンドシェイク
(XON/XOFFフロー制御) |
XONとXOFFコードを使ってフロー制御します。 |
ハードウェアハンドシェイク
|
RTSとDTRを使ってフロー制御します。 |
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・単語集 |
単語 |
解説 |
UART
(Univarsal Asynchronous Receiver Transmitter) |
調歩同期方式用の集積回路です。
IBMの初代PC/AT機に
ナショナルセミコンダクターの16450が搭載されました。
16450にFIFOを追加したものが16550Aであり,
もっともメジャーなUARTであり、
基本的には16550A互換が多いです。
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HDLC
(High-Level Data Link Control) |
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RTS
(Request To Send) |
受信側から送信側に送る制御信号。
ハードフロー制御を使用するときに利用する。 |
V.42 |
ITU-Tが88年に勧告した、モデムの誤り訂正
についての規格。
回線で発生した伝送の誤りをモデム間で検出し、
再送することで訂正するという方式。 |
ITU-T |
国際電気通信連合電気通信標準化部門 |
GPIB
(General Purpose Interface Bus)
IEEE488.2 |
コンピュータと計測器のインターフェースとして開発されました。
Hewlett Packard社製です。
接続台数は、パソコンを含めて15台までです。 |
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